脳梗塞の後遺症とは?治療にはボツリヌス療法?予防にはコーヒー、緑茶がおすすめ。
日本人の主な死因の一つである、脳梗塞。
発症前の身体のサインを読み取り、早急に対応できれば問題はありませんが、実際に発症してしまうと、後遺症が残るなど、後々の生活にも大きな影響を及ぼす病気でもあります。
ここでは、脳梗塞が起こった時の症状と、その後の治療や後遺症、そして、予防について、ご紹介させていただきます。
◆脳梗塞の症状
脳梗塞は発症すると、突然、痙攣を起こして倒れ、意識を失うことが多いようです。
また、激しい頭痛、吐き気、ろれつが回らない、
半身麻痺、めまい、視覚障害なども、よく現れる症状です。
これらの症状が数十分程度で治まる場合は、
「一過性脳虚血発作」と言われますが、
数ヶ月~数年後には、15~20%の確率で脳梗塞を発症しますので、
病院を受診することが大事です。
症状が発症した場合は、立ったり動いたりせず、
横になって、直ちに救急車を呼びましょう。
◆脳梗塞の治療
《超急性期》
発症後、3時間以内に治療を始めることが肝心です。発症後の4.5時間以内であれば、「血栓溶解剤(t-PA)」を用いることができ、
後遺症が残らない確率が上がります。
《急性期》
発症後1~2週間は急性期とされ、まずは生命の危機を回避し、脳の血流することに重点がおかれます。
場合によっては、手術が行われることもありますが、
基本的には、点滴治療です。
投薬によって、脳を保護し、脳の腫れを抑え、
血液の固まりを抑えます。
また、感染症、消化管出血、心筋梗塞などの
合併症の予防や治療を行います。
《慢性期》
状態が落ち着いてくるとリハビリを行い、身体機能の回復を目指します。
リハビリは主に、理学療法士による身体の動作の練習、
作業療法士による生活動作の練習、言語聴覚士による言葉の練習になります。
◆後遺症と治療
脳は一度壊死すると元通りにはならないので、様々な後遺症が残ります。
その後遺症は様々で、半身麻痺、言語障害、視野障害、
感覚障害、痴呆、失読、失書、情緒障害などが上げられます。
これらの後遺症は、リハビリによって回復を目指しますが、
6ヶ月を過ぎると、改善が止まってしまうと言われています。
しかし、最近では新しい治療が様々あり、
回復の希望がもてるようになりました。
その治療の一つが「ボツリヌス療法」といわれる、
筋肉の緊張を取り除く製剤の注射治療です。
場合によっては、
退院後も長期的な治療が必要になるかもしれませんが
希望を持って、治療を行いましょう。
◆脳梗塞の原因と予防
脳梗塞の主な原因は、高血圧、高脂血症、糖尿病、
肥満といった生活習慣病や、喫煙です。
まずは、塩分を控えたバランスの良い食事や運動などを心がけ、
禁煙することが大事です。
ちなみに、動脈硬化に効果がある栄養素は、
・ポリフェノール(赤ワイン、ウーロン茶、柿、プルーン、蕎麦など)
・硫化アリル(玉ねぎ、ニラ、ラッキョウなど)
が挙げられます。
また、緑茶やコーヒーには、
脳梗塞の発生を抑える作用があります。
緑茶やコーヒーをよく飲む人は、
飲まない人に比べて脳卒中(脳内で急激に発症する病気の総称で脳梗塞もその1つ)
になるリスクが2割程度低かったと国立がん研究センターが2013年3月に研究報告をしています。
更に、一度脳梗塞が発症した場合、
20~30%程度の人は3年以内に再発するとも言われています。
脳梗塞は再発する度にその病状は悪化しますので、
特に、生活習慣に気をつけましょう。