梅干しの作り方レシピ。梅干しの効果と効能とは?
ヘルシーで美味しい和食を代表する食べ物・梅干しは、
納豆や味噌と同じように優れた発酵食品。
想像しただけで口をすぼめてしまうような酸っぱさに、
梅干しのすごさが隠れています。
二日酔いや虫歯にまで効果的。知らなかった梅干のすごい力
梅干しは鎌倉時代あたりから
貴重な薬として重宝されていたと言われています。
梅干しの効能は、疲労回復や食欲増進だけでなく
二日酔いや便秘の解消、血液浄化作用、
カルシウムの吸収促進、虫歯予防など様々。
力の源は、なんといってもあの酸っぱさにあります。
梅の実にはクエン酸が豊富に含まれていて、
梅干しにすることでさらに増量。
クエン酸は、疲労の素となる乳酸を分解して体外に排出するだけでなく、
ブドウ糖の分解を抑制して乳酸そのものを
エネルギーのもとになる物質へ変化させるのです。
乳酸は動脈硬化の原因ともなっているので、
動脈硬化予防も期待できます。
最近では、クエン酸そのものに
血圧低下作用があることも判明しました。
また、弱アルカリ性食品の梅干しは、
アルコールの分解で体内が酸性に傾く二日酔いにも効果的。
胃腸の粘膜を保護する働きもあるので、
飲酒前に食べればアルコールの刺激を緩和し、
飲酒後に食べれば荒れた胃の粘膜の修復を促してくれます。
そして、梅干しに誘発されて出る唾液は、
サラサラで質・量ともに優れているという研究結果も出ています。
梅干しは夏本番前に漬け込む大粒で肉厚な万能梅「南高梅」
梅の旬は6~7月で、出回る時期は短め。
生産地は「古城」や「南高梅」などがある和歌山県がダントツです。
古城は青梅の一級品と言われ、梅酒向きの品種。
一方、大粒の南高梅は皮が薄く、肉厚で柔らか。
甘露煮や梅エキスなど何にでも使える万能梅。
もちろん梅干しにも適しています。
梅干しには未熟な青梅ではなく、
ある程度色づくまで熟して収穫した完熟梅を使いますが、
収穫後に追熟した梅ではなく、木成りで熟したものを選びましょう。
追熟したものは香りが弱く、
傷んでいる実が入っている場合があります。
一般的に5月下旬頃から梅酒向きの青梅が出回り、
梅干し用の完熟梅は6月中旬から7月上旬頃に店頭に並びます。
梅干しを作るためには強い天日も必要になってきますから、
夏本番前に漬け始めることはとても合理的なのです。
有効成分が凝縮した梅干し作り。意外に簡単、5つの工程で完成
昔ながらの方法で漬けた梅干しは、
年月が経つにつれて塩が果肉になじみ、
酸っぱさのなかにまろやかさが出てきます。
しかも余分なものを一切使っていないので、日持ちも抜群です。
【梅干しの作り方】
① 下準備
梅は洗って自然乾燥し、
キッチンペーパーなどで水気を丁寧に拭き取り、軸をとっておきます。
梅の重量の18%の塩を用意します。
梅が5kgの場合、5000g×0.18=900g。
梅を漬ける広口瓶は煮沸消毒しておきましょう。
② 塩漬け
梅を広口瓶に入れて、塩をドサッと振りかけます。
丈夫なビニール袋を二重にして瓶の中に広げ、
水を入れたら漏れないようにしっかりと口を縛ります。
これが重石の代わりになります。
③ 梅と梅酢を混ぜる
数日すると塩の浸透圧によって梅の水分が排出され、梅酢が出てきます。
漬け込みから最初の10日間くらいは
毎日瓶をゆすって梅酢をかき混ぜます。
その後は白く濁ってきたら(産膜酵母という酵母菌の一種で無害)
まんべんなく瓶をゆすってかき混ぜてください。
白く濁ったままかき混ぜずに放置すると、
シロカビやアオカビの原因になるので注意が必要です。
④ 天日干し
約1ヶ月漬け込んだ梅を丁寧にとりだして
ザルに並べ、天日干しします。
ポイントは風通しを良くすること。
ザルをレンガなどで浮かせると風通しが良くなります。
大粒のものだと3日以上かかりますが、
途中裏返して、梅の表面に塩が析出するまで天日にさらします。
雨などで濡れないように注意しましょう。
⑤ 完成
別のガラス瓶や陶器の器で保管しましょう。
干し上げたばかりの梅干はアクが強く、
独特の味が舌に残ります。
半年以上室温で寝かせ、果肉が黄色から茶色になると
アクが抜けて美味しくなります。
塩分や酸っぱさが気になる人は、
水に何時間か浸けておくと塩分が抜け、
酸味もマイルドになりますよ。
漬ける人によって微妙に味わいが異なると言われる梅干し。
梅の有効成分がもっとも多く含まれている昔ながらの梅干し作りに、
ぜひ家庭で挑戦してみてくださいね。